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切花品種は育てやすいですか?
2008 / 11 / 15 ( Sat )
Q 切花品種は育てやすいですか?

A 露地で育てた場合切花品種の多くはガーデンローズよりも病気にかかりやすかったり、本来の花が咲かない場合があります。


解説
最近は切花用の品種がガーデンローズとして販売されることが増えてきました。今までは切花品種は育てにくいといわれてきました。確かに切花品種はハウス栽培を前提とされているため、露地で育てた場合には特に黒点病にかかりやすいです。ハウス栽培では黒点病はほとんど出ないため、黒点病への耐病性はそんなに考慮されないためではないかと思います。また、花弁が多い品種は雨で開ききらなかったり、そうでない品種も本来の姿(この場合はハウス栽培で咲いた姿)とかなり違って咲くことがあります。ローテローゼ等は特にそう言えます。また、どの品種もご家庭では切花で流通するようなLサイズになりにくいでしょう。

それでも、大手さんは販売する前に露地でテストしていますからまだ安心ですが、ガーデンローズよりは手をかけて育てたほうが良いと思います。魅力的な切花が全てガーデンーローズとして販売されないのは、権利の関係もありますがこのような理由もあるのです。

弊社で扱っている品種では、ファースト・エディション、セカンド・エディションあたりは黒点病に注意したい品種です。

それでも、切花品種の花はガーデンローズよりクオリティが高く、花保ちがとても良いです。上手に栽培すれば枝のサイズはLにはなりにくいですが、花の姿は本来の姿で咲きやすい品種ももちろんあります。

例えばこちら品種「ベビーロマンティカ」はそのひとつです。もしかすると数年後にはガーデンローズになるかもしれません。
ベビーロマンティカ
22 : 42 : 32 | バラ Q&AあるいはFAQ | トラックバック(0) | コメント(67) | page top↑
病気に強いバラ?弱いバラ?
2008 / 10 / 17 ( Fri )
もう10月も半分が過ぎましたね。
今年は比較的9月が涼しくて、あまり残暑が厳しくなかったように感じております。皆様はいかがでしょうか?

バラを栽培されている方、これから育てようという方が気になるのは「この品種は病気に強いのか?弱いのか?」ということではないでしょうか。

最近の品種は特に、品種の紹介に「病気に強い」「強健」などの言葉が必ずといって良いほど入っています。「強健」は、ほとんどのバラに言えることです。(ごく一部の品種には、強健とはとても言えない弱い品種があるのです)。バラという植物は適切に管理すると一年で驚くほど大きく成長する、他の植物にはあまり見られないほどの生命力があります。その割にはなかなか思うように育たないと苦労されている方がいらっしゃいます。

「このままでは全ての植物がバラに負けてしまう」と自然が思ったのかどうか、バラには病害虫が他の植物に比べてかなり多く、そのせいで成長が遅くなります。

ガーデンローズとして多くの人に栽培していただきたいのですから、新しい品種には耐病性も必要です。しかし往々にして、耐病性は花の美しさに比べて優先順位は低くなりがちです。花が美しいと、相当病気に弱くなければ発表したいと考えているのかどうかわかりませんが、「病気に強い」とされるバラも実際には?ということが多いです。

Alsys-Rosesのネットショップでも、品種の紹介に「病気に強い」「耐病性がある」と書いているものがあります。古い品種では自分で栽培して感じたことを、新しい品種ではメーカーの紹介文を書いています。

原種だから、オールドローズだから、イングリッシュローズだから病気に強いということはありません。私が知る限りでは、遺伝子の倍体が違うからでしょうか、モッコウバラが(ほぼ)完全に病気にかかりません(し、虫もあまり付きません)。それ以外のバラは多かれ少なかれ必ず病気になります。黒点病になりやすかったり、うどんこ病になりやすかったり、その両方だったり。私は、大雑把ですがオールドローズはうどん粉病に弱く、モダンローズは黒点病に弱いと感じています。この二つの病気を農薬で防除すると、バラの栽培は驚くほど簡単になります。それは本来「強健」ですから、葉を落とすことが無ければ、すくすく成長するからです。灰色カビ病は、薬で防除するよりはこまめに花柄を摘むのが有効です。ベト病は生育期(の特に夜間)に低温多湿になるとかかりやすく、住んでいるところに依存し農薬による防除は難しいです。全ての品種がなるわけではなく、特定の弱い品種がなるようです。

農薬をなるべく使わないで病気を防ぎたい場合のアドバイスです。黒点病、うどんこ病は雨を避けるとかなり防げます。バラの置き場所、植え場所を工夫して雨が当たらないようにすると、栽培がぐっと楽になります。対比や腐葉土のマルチはほとんど効果はありません。土からの湿度を防げるような、たとえばウッドデッキやコンクリートの植えに鉢を置くことのほうがまだ効果的です。

また、特に病気に強いと定評がある品種を選んで育てるのも良いと思います。最近感じたのは、スノーコーンがかなり耐病性が強いことです。花付きも良く、小さな樹形で育てやすいです。イングリッシュローズは、昔の品種は全然病気に強くない品種が多いですが、最近の品種はなかなか耐病性があると思います。

こちらがスノーコーン、一枝50輪以上房咲きになるのに背の高さは60cm程度とコンパクトです。
スノーコーカ
22 : 24 : 38 | バラ | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
農薬は本当に危険ではないのでしょうか?
2008 / 09 / 19 ( Fri )
どうだ
Q 農薬は本当に危険ではないのでしょうか?

A 規定どおりに使い、吸ったり肌に触れないようにしっかり防除すればご家庭で使う量なら十分安全です。


解説
濃度や散布感覚を規定どおりにして、散布時に長袖長ズボン、防除マスクをしていれば普通の人は健康に被害が出ることはありません。皮膚が過敏だったり弱い方以外は、特に吸わないようにそれでも微量に摂取してしまう農薬を肝臓や腎臓が処理することを考え、念のためその日の飲酒は避けたほうが良いと思います。

昔の農薬のように、人間(を含む哺乳類や鳥類、爬虫類)に強い毒性があるものは一般には市販されず、特にバラに使う農薬ではそれらのものを使わなくても十分効果が出ます。最近の農薬は、ターゲットの菌や昆虫以外にはなるべく影響が無いように開発されています。余ったら土に流せば分解されますが、水に流すとなかなか分解されず水生生物に深刻な悪影響がありますのでご注意下さい。薬剤や溶剤の臭いが気になる農薬がありますが、臭いに毒性が比例するわけではありません。気になる場合はなるべく臭わない薬を選んで使うと良いと思います。

市販の農薬は、短期と長期の毒性について定められたテストをクリアしています。もちろん致死量がありますが、それは食品(例えば塩やカフェインやしょうゆ等)でも同じことで、大量に摂取すれば致死量に達します。病気のときに使う薬もそうでしょう。適量なら有効で、過度に使えば毒になる、農薬も同じなのです。

また、(植物への)薬害が出る濃度と有効濃度がなるべく離れるようにつくられていますから、薬害も出にくくなっています。特定の薬剤と特定の品種では必ずといって良いほど薬害が出る組み合わせがありますのでご注意下さい(例えばダコニールとダブル・ディライト)。


さて、秋の長雨の時期になりつつありますが、「こんなとき農薬でしっかり病害虫を防除しているさぞかしアルシス・ローゼスは安心ですね」と思われる方がいらっしゃると思います。確かにそのとおりで、特に露地の苗は水遣りもしなくて済んで助かるはず・・・なのですが、昨日は雨が降らないという予報を信じて液肥をまいたら、しっかり雨が降って液肥が流れてしまい水の泡に・・・。こういうショックはありました。

上の写真は小豆があつさでへばっているところ、下はりーちゃんに抱っこされながら寝ているところです。四角いクッションは猫の爪研ぎ攻撃でぼうぼうになってしまいました。
だっこちゃん
13 : 19 : 10 | バラ Q&AあるいはFAQ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ほしい品種が新苗でしか手に入りません。新苗だと心配ですが大丈夫ですか?
2008 / 08 / 19 ( Tue )
ディズニーランド・ローズ
Q ほしい品種が新苗でしか手に入りません。新苗だと心配ですが大丈夫ですか?

A 大苗を上手に育てられる方でしたらしっかり作られて新苗なら全然心配ありません。新苗が植えられているポットから大きな鉢(5〜7号が適当です)に植え替えたり露地に植えつけていただくと、立派に育ちます。(バラ苗の状態・形態についても参考にして下さい。)


解説

主にオールドローズ等の、一般受けしないというか初心者の方よりは中、上級者の方に好まれるので数が出ない品種は大苗がほとんど出回らず、新苗でしか手に入りにくいことが良くあります。それなりの数が出ない品種の大苗を作るのは効率が悪いからです。効率が悪いと価格が高くなり、そうなるとまた売れなくなるという(大げさですが)悪循環になるので、新苗での販売が主になります。

バラは主幹となる枝が4、5本無いと落ち着かないのか、新苗はその年にどんどんシュートを出します。10月になれば見違えるように枝数が増えて大きくなっています。オールドローズは四季咲きしない品種がほとんどで、特に生育旺盛です。

新苗がしっかり作られているかどうかは品種の特性もあるので簡単に説明しづらいのですが、下記の項目を満たす苗が無難です。
・葉が厚い
・葉がむやみに大きくない
・葉と葉の間の茎の長さが短い
・葉の色が濃い
・一番下の葉もしっかりしている
等です。


写真の品種はディズニーランド・ローズです。フロリバンダにしては樹形や葉が小さめでポリアンサ的で弱そうな感じに見えますが、よく四季咲きするせいで大きくならない樹形なのです。盛夏でもクオリティの高い花がよく咲き、目立つ花色の花は花保ちも良い品種です。伊達にディズニーランドの名前を付けられたのでは無いということでしょうか。今年見直した品種の一つです。
23 : 19 : 28 | バラ Q&AあるいはFAQ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
バラ栽培に農薬散布は必要ですか?
2008 / 08 / 12 ( Tue )
ストロベリー・ヒル
Q バラ栽培に農薬散布は必要ですか?

A 上手に育てるためには、適切な使用が必要で一番手間がかかりません。


解説

「バラを育てたいけど、病気や害虫がすごいと聞いていて手を出していない」
「バラ栽培には農薬が欠かせないと聞いているが本当か?」
お客様から良く聞かれる相談です。

バラは、樹液がほんのり甘くておいしいのかかなり害虫が多いです。アブラムシ、ゾウムシ、(ひとまとめにして)芋虫、コガネムシの成虫と幼虫、カミキリムシの幼虫等。
病気も多く、代表的なのは黒点病とうどん粉病でしょうか。

病害虫の多さは、同じバラ科の果樹である梅・桃・桜(んぼ)、プラム、りんご、梨等と同様で農家のように定期的に薬剤散布をしないと、ご家庭ではなかなか上手に花を楽しめない(果樹の場合は果物を収穫できない)のが現状です。

バラの場合はローズヒップや花弁を食用にされる方以外は、通常は食べるためではなく花を楽しむために育てるので残農薬は問題になりません。しかし最低でも2週間以内に一回の間隔で生育期に定期的に散布しないといけないのは面倒です。そうしないとどうなるでしょうか。
・四季咲きのバラが夏以降ほとんど咲かない。
・枯れてしまうことがある
・一番花が終るころから10月の終わりくらいまでは葉がほとんど無くて悲しくなる
・雨のたびに病気にならないか、病気が広がらないか心配になる
こういったことがおきます。

減農薬といって農薬散布の間隔を空けて、例えば一ヶ月に一度程度にすると多かれ少なかれ似たような状態になります。間隔が2ヶ月、3ヶ月にいちどになってくると、散布しないのとほとんど変わらなくなります。一度にこれらの問題を解決する方法は、現状では定期的な農薬散布しかありません。

農薬をまくことに抵抗がある方がいらっしゃると思いますが、現在販売されている農薬は、規定の濃度と用法で使う限りでは人体に悪影響はまずありません。また、「黒点病を防ぐ薬には毒性が強くて印鑑が無いと買えないものがある」ということはありません。少なくとも私は購入地に印鑑が必要な殺菌剤は知りませんし使ったことがありません。それでも十分病気は防除できています。使っている農薬で印鑑が必要なのは殺虫剤のアドマイヤーぐらいです。しっかり防御しているとはいえ、使用量や間隔が桁違いの私たちも今のところ影響はありません。

散布するときは風上から撒いて、できるだけ吸わないように気をつけてください。皮膚に付くよりも吸うほうが危険です。できればホームセンターで売っているような紙のマスクではなくて、まともなマスクをお使いいただきたいと思います。(お問い合わせいただければご紹介いたします。)

定期的な農薬散布により病害虫はほぼ完全に押さえられます。四季咲きのバラはしっかり四季咲きし、水やりのかわりになってうれしいはずの雨のたびに病気の心配をするストレスから開放されます。私はこの「ストレスからの開放」が大切だと思っています。楽しむために育てているのに心配事が増えたら本末転倒ですからね。

もちろん無農薬で上手に咲かせていらっしゃる方の存在を否定するわけでも、疑っているわけでもありません。無農薬の場合はバラに付きっ切りになるような感じで相当手間がかかり、それ自体が目的の方は良いと思いますが一般には不向きだと思うのです。また、無農薬栽培の成功例が別のお宅では全く通用しないということがあまりにも多いほど環境に依存することもお勧めできない理由の一つです。

農薬は予防的に使うと、一番少ない労力と費用で最大の結果が得られます。面倒なのでは?と思われる方が多いと思いますが、面倒くさがりな私でも出来ていますし、労力に見合う結果がでて意外に楽しいものです。

最初は面倒かもしれませんが、得られる効果が大げさに言うと劇的なのです。ちょっと機械にお金がかかりますが、なるべく労力がかからないように電動の噴霧器を使うほうが良いです。楽なので農薬散布も苦にならなくなります。そこまでするほどたくさん育てていない方は、最初のうちは住友化学園芸のベニカXスプレー等を使ってみると効果を体験できます。これは1本で病気にも害虫にも有効です。

良い花を咲かせたい、四季咲きのバラをしっかり四季咲きさせたい、一季咲きや返り咲きのバラを立派に育てたい、病気や害虫は嫌い、雨がストレスになるのは困る(これがかなり重要)という場合には定期的に農薬散布をすると結果が安定する。これが結論です。農薬がどうしても感情的に受け入れられない方は別として、バラ栽培には農薬を上手にお使いいただくのが私は良いと思います。

農薬の使用は賛否両論があると思いますが、お客様に積極的に農薬散布を勧めませんが私は上記のように考えています。

「でも、農薬は本当に危険ではないのか?」
「木酢液や漢方(?)薬など自然由来のものでは駄目なのか?」
こういう疑問も、今後扱いたいと思います。

写真は初夏に咲いたストロベリー・ヒルです。最近のイングリッシュローズにしては小輪の品種です。
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